カーポートのリノベーション

使用製品:
  • カイム・リグノシル・ヴェラノ
所在地:

ドイツ

竣工:

2018年(塗装は2019年)

画像は個人住宅のカーポートだが、サイディングは一見、何十年も経たようなナチュラルな灰色をしている。実はこれは、リグノシル・ヴェラノの塗装によるものだ

二枚目の画像は、塗装する前のカーポートである。この時点で築一年だが、無塗装の木材はたったそれだけの期間で、このように汚れが目立つようになってしまう。灰色化が始まってはいるものの、陽や雨風の当り具合により不均一になっており、アルプスの山小屋のような趣ある灰色になるまでには、このような見苦しい数年間はどうしても避けられない。

そもそも木材の「グレーイング(灰色化)」という現象は、木材に含まれるリグニンという物質が、雨などに長期間晒されることで水に溶けだし、色素ごと流れ落ちてしまうことで起こる。このリグニンは木材組織を補強する役目も担っているので、グレーイングの過程で当然木材はもろくなり、カビや虫害など様々なトラブルにも遭いやすくなる。アルプスのような気温・湿度の低い環境でもなければ、グレーイングする前に崩れてしまう危険性も高く、なかなか見た目に「完璧な灰色」の木材を作ることはできない。高温多湿な日本ではなおさら難しいだろう。

リグノシル・ヴェラノの最大の特長であり魅力は、木材の表面を保護しながら、時を重ねた天然木の様な色合いとテクスチャーを竣工当初から実現できることだ。塗料には透水性があるので、リグノシル・ヴェラノで塗装された木材も、本来のグレーイングは進行していく。見た目の欠点を隠しながら、その過程を楽しむのも魅力の一つと言える。

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