秋葉原オフィスビル
都内のRC造りフィスビル
シンガポール
クリストフ・インゲンホーフェン
ingenhoven architects gmbh、ドイツ
[本件紹介ページ]
2018年
シンガポールの新たなランドマークとして、有名なマリーナ・ベイ・サンズ近くに建てられた商業・住居の複合施設。4棟の高層ビルの中心に配置されたグリーン・ハート(緑の心)と呼ばれる中庭とビルが一体化し、三次元の空中庭園を構成している。
日本では虎ノ門ヒルズの設計などで知られる建築家クリストフ・インゲンホーフェンは、庭を支える巨大なコンクリートの柱を完璧にし、高温多湿な熱帯の気候から保護する手段として、カイムのコンクレタールを選択した。
段階的に打設されるコンクリートは、時々の素材や乾燥の違いで、どうしても色ムラが出てしまう。ムラを隠すために塗装する方法もあるが、従来の塗膜を形成するタイプの塗料を塗っては、コンクリートらしさが失われてしまう。マットでコンクリート本来の質感を生かし、専用希釈剤で希釈する事により、半透明の仕上げが可能なコンクレタールは、「色ムラを隠す」「コンクリートの表情を活かす」の両者を叶える最適のソリューションだった。本件では濃い灰色のコンクレタールを9倍に希釈して塗装することで、まるで最初から均質だったかの様な、美しいコンクリート柱を実現した。
また、コンクリートは長い年月で藻や苔が発生すると緑がかってしまう上、表面の傷から侵入する水分によって劣化が進んでしまう。微生物の餌となる有機素材を含まない無機塗料であり、高いアルカリ性により微生物の発生を抑制するという、シリケート塗料の特長も選択の決め手となった。海沿いに立地し潮風に晒されるマリーナ・ワンでは、更にコンクリートの保護を強固にすべく、屋外部にはコンクレタールと相性の良いシラン系浸透性吸水防止剤を下地材として使用している。