クレムリン 赤い壁

使用製品:
  • カイム・ソルダリット
所在地:

モスクワ、ロシア

竣工:

15世紀ごろ (カイム塗料による補修は2009年)

「クレムリン」とはロシア語で「城塞」を意味する言葉で、固有名詞ではない。しかし通常「クレムリン」と呼ばれるのは、最も有名かつ豪壮なモスクワのクレムリンである。
かつて帝政ロシアの宮殿であったクレムリンは、ソ連時代は共産党本部が、現在は大統領府が置かれ、数百年に渡ってロシアの政治の中枢であり続けた。

12世紀に原型となる城塞が築かれ、15世紀後半にはほぼ現在の姿になったというクレムリンの見どころの一つは、宮殿を取り囲む総延長約2,235mの「赤い壁」である。
レンガ造りのこの城壁は、帝政期は宮殿と同様に白く塗られていたという。ところが20世紀のロシア革命以降、塗装が維持されずに素地のレンガがむき出しの、今日の「赤い壁」のイメージが出来上がったとされる。

現在のレンガ壁は、レンガ部分の赤色と目地の白を塗り分けることで、綺麗に補修されているが、2009年に補修された全長約1km、約18,000㎡にカイムのシリケート塗料が使われている。
カイムの塗料はロシアでも既に、モスクワの救世主ハリストス大聖堂やサンクトペテルブルクの旧海軍省などの実績があった。
ホワイトハウスのケースと同様、古い塗装が残った面にも定着するカイム・ソルダリットが採用され、色はレンガの色に最も近い色として#9162が選ばれた。
ロシアの歴史をつぶさに見てきた趣ある赤色を、ドイツの技術力が支えていることを知る人は少ない。

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