ツァイツ・アフリカ現代美術館
100年の時をこえて生まれ変わったサイロ
ワシントンD.C.、アメリカ合衆国
1800年(カイム塗料使用のリフォームは2002年~2012年)
アメリカ合衆国の首都ワシントンD.C.の中心部にある大統領官邸が「ホワイトハウス」と呼ばれるようになったのは、1817年、戦火で焼け焦げた外壁を白く塗装したことが始まりとされている。
文字通りアメリカの歴史と共にあったこの建物の白は、実はカイム社のシリケート塗料である。
ホワイトハウスのプロジェクトにカイム社が指名されたきっかけは、アーリントン国立墓地における補修から。歴史的建造物を管理する国立公園局との協働の結果、ホワイトハウスのためだけに開発された特別色#812285が生まれた。「ウィスパー・ホワイト(Whisper White)」と名付けられたその色は、実は純白ではなく微かな黄色味を帯びた「クリーム色」。これは太陽光線の反射による色調変化を出さず、ホワイトハウスをいつでも「白く」見せるために選ばれた色である。
また、従来の塗料が一部残ったままの面にも再塗装する為、シリケート塗料にコロイダルシリカを混合し、含浸しない非鉱物性の表面への定着力を強化したソルダリットを採用している。
この特別色はカイム社にレシピが保存され、2002年の庭のプールハウスのリフォームから始まって、ウェストウィング、イーストウィング、メインハウスと、改装の度に段階的に塗り替えられていき、現在はほぼ全館がカイムの「白」となっている。